工業簿記への苦手意識を捨てて、原価管理の世界に入ってみませんか?

【改善コンサルタントのKANSINノート】~シナプス社員ブログ~
宝塚歌劇をこよなく愛すコンサルタントが、日々の仕事や暮らしの中で関心を持ったこと、感心したこと、歓心を得た事を綴ります。

おはようございます。
シナプスイノベーションの中里です。

前回、“コトバ”をテーマに、原価管理の世界を覗いてみました

しかし原価管理については、“難しい”、“聞いてもよくわからない”など、いろいろネガティブなご意見を聞くことがあります。
原価管理になじめない方が意外に多いことについて、なぜなのか考えてみたいと思います。

原価管理の基礎は工業簿記

製造業のお客様を訪問すると、“原価管理がわかるヒトが少ない”という声を聞くことがよくあります。
原価管理の基礎となるのが工業簿記なのですが、まずこれが苦手な方が多いようです。

日商の簿記検定を受ける方は、3級に合格してから2級を勉強します。
(たまに、3級を受けず2級を受ける方もいるようですが……)
3級は商業簿記の1科目のみ、2級で工業簿記が加わります。

商業簿記と工業簿記の違い

商業の基本は、商品を仕入れて売る。モノやカネの流れは、日常の生活にあるコンビニやスーパーなどを通してイメージしやすいですね。
この流れを扱うのが商業簿記です。
仕入れたときに掛けで処理していれば“買掛金”、売るときに掛けであれば“売掛金”です。

これに対して工業簿記は、モノを製造する過程をたどります。いろいろな材料を使い、加工して、製品になって……。
この製造の過程がイメージできないと、勘定連絡のイメージもしづらいのではないかと思います。

商業簿記は“掟”を覚えれば対応できる

文系の人は商業簿記が得意で、理系の人は工業簿記が得意と言っていた方もいました。
技術系の人の方が、モノづくりの流れを目にすることが多いからかもしれません。

また、商業簿記は、“借方・貸方”、“資産は左で負債は右”などなど、仕訳の“掟”を暗記すれば合格できます。
実務でも同じように、その会社での“掟”を覚えれば対応できます。

商業簿記では、問題に記載されている取引を“掟”に従って仕訳してゆきます。
文書を書くイメージです。
問題が解けないのは、“掟”を忘れてしまった場合か、記載されている取引の意味を誤解してしまった場合です。

工業簿記はコンピュータシステムのプログラミングに似ている

ですが工業簿記は、“掟”を覚えるだけで対応できるものではありません。
工業簿記では、問題に記載されている資料を元に計算して、単価、完成品原価、月末仕掛原価などを求めます。この計算方法をうまく組み立てる必要があります。
このためには掟をただ暗記するのではなく、理解することが必要です。

きちんと理解していないと、うまく計算方法を読み取れず組み立てられなかった、応用問題が解けなかった、ということがありえます。

工業簿記はコンピュータシステムのプログラミングに似ているように思います。
与えられた情報をデータ化してアルゴリズムを組み立ててアウトプット(答え)を出すのです。

ということは、IT業界にいる人は工業簿記が得意なはず!!
つまり、その延長上にある、原価管理も得意なはず!!
ですがIT業界には、原価管理が苦手だという人が非常に多いです。

なぜでしょうか?

原価管理が苦手だという人は”食わず嫌い”なだけ?

私が思うに、理由の1つは“食わず嫌い”ではないかと。
“原価や仕訳”と聞いただけで拒否反応。“納豆”と聞いただけで食べようとしない人とおなじでは?

工業簿記の勘定連絡は商業簿記の“仕訳”や“借方・貸方”を基礎にしています。
なぜ右? なぜ左? 仕掛って? こうしたことが理解できてないと、さっぱりわかりません。
“仕訳”を“掟”として暗記しているだけの人は、ここでつまづいてしまうでしょう。
“掟”を分解して、なぜなのかを理解できれば、勘定連絡もわかるようになるのです。

頭の慣れの問題

2つ目は、頭の慣れの問題です。
1度解説を聞いただけでは、応用問題は解けません。
何度か取り組んでいるうちに、頭が慣れてきます。
そしてある時、それまでできなかった問題が解けるようになります。
まさにシナプス(脳細胞同士のつながり)が出来た瞬間ですね。
この瞬間を迎える前の苦しさで、投げ出してしまう人もいるのではないでしょうか。

「何のために?」がわからない

3つ目は、原価管理によって見えるモノ・コトを知らないということです。
何のために? がわからないことを努力するのは誰でもつらいのです。

原価管理がわかるようになると、製造業の会社の中身が見えます。
どの工程でどのような費用が発生するのか、製品の原価にどんな要素が含まれるのかがわかってきます。
するとモノづくりについて、ああすればよいのでは、こうすればよいのではといろいろアイディアがわいてきます。

アイディアがわいてくるのはそれだけで楽しい事です。そのアイディアを実行できたら、もっと楽しくなりますよ。

工業簿記へのニガテ意識を捨てて、原価管理の世界に入ってみませんか?

 

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AUTHORこの記事を書いた人

中里 真仁(なかざと まさひと)

中里 真仁(なかざと まさひと)

宝塚歌劇をこよなく愛する生産管理&経営管理コンサルタント。
神戸生まれの神戸育ち。海を眺め、山へ登ることが好き。
関心あること、感心したこと、歓心を得た事を綴ります。