まふゆさんの、やるべきこと/やりたいことリスト

まふゆのシナプス観察日記, 経験談・小話

紙の束

スチールキャビネットの引き出しを開ける。
「未整理」のラベルが貼られた書類ボックスを取り出す。

「そこそこ入ってますねえ」

宇都宮さんがブラウスを腕まくりして言う。

シナプスイノベーションがテレワークメインの会社になって1年と何か月か。
あいかわらずソーシャルディスタンスの日々は続いていて、仕事で紙をつかう場面がだいぶん減った。
カタログはPDFで、注文書も請求書も電子ハンコのPDFで、社内申請は電子フォームで。

ただ、とはいえたまには紙でいただく場合もあるし、紙がメインの書類もある。
紙メインの代表が、他社さまと交わした契約書だ。
電子契約もちょこちょこ出てはきたけれど、まだまだ紙に双方押印スタイルが多い。

紙があるということは、ラベルをしてファイルにしまわないといけないということになる。
電話番出社日のきょう、同じく出社の宇都宮さんと、ざっとファイリングすることにした。

書類ボックスの中の束は、ざっと30部くらいだろうか。宇都宮さんが続ける。

「えーっと、各会社さんのファイルにはさんでいきましょうか」

「そうですね……あ、これってPDFちゃんととってありますかね」

あ、という顔を宇都宮さんはして、後ろのデスクに置いたパソコンをかちゃかちゃする。

「データないですねー、PDFとるところからやりましょう」

テレワークのいま、あの契約書をちょっと見たいなというとき、紙の束をめくって……はすぐにはできない。
ので、原本をしまうついでに電子化もして、必要な人がすぐ見られる場所に置いておかないといけない。

んだけれど、これ、やらなくてもすぐにはこまらない仕事なので、ぽろっと漏れてしまったりする。
たまの出社日に「未整理」ボックスを開けると、こういう、物理的な忘れものに気づける。

ほんとうはもうちょっとIT企業っぽいスマートなやり方を見つけたいところだけれど、そこは順ぐりにだな。

仕事の山

キッチンであたたかいお茶を淹れて、デスクに戻る。
あつがり汗っかきなのでこの季節クーラーは切れなくて、でもおなかの中はあっためておきたくて、だいたいこうしている。

「タスクリスト」とつけた電子ファイルと、グループウェアのカレンダーを開く。

(今日が18日だから、とりあえず25日までを見直し、と)

「タスクリスト」は先々にやるべき仕事と、かかるだろう時間と〆切と優先度がただ並んだだけのリストだ。
向こう3か月分つづくこのリストを、カレンダーをみながらアップデートしていく。

20日にいそぎのMTGが入ったのでこの日はそれで20分埋まる。
23日に予定していた資料づくりは今週済ませちゃったのでいらない。
30日は午前休の予定だから、そのぶんぜんぶ前だおしで詰めておかないと。
そうだ、高木さんからの依頼、来月いっぱいってきいたけど今月やれた方がいいかも。

リストに行を足したり消したり、順番を入れ替えたり。

カレンダーに予定が追加されたらそのままタスクリストに反映してくれるとか、チャットで飛んできた依頼をかってにまとめてくれるとか、かしこいツールがあるのは知っている。
けれど、電話で聞いた話、カレンダーに入ったミーティング、Excelで立てられているプロジェクトの先予定、ぜんぶをもれなくまとめるとなると、けっきょくアナログなやり方が性に合うみたい。

5分くらいでちゃちゃっと整理して、こんなもんかなと思ったところで気づいた。

優先度「低」のマークをつけた「経営計画書の英語版を整える 固有名詞の統一」が、いつのまにかリストのいちばん下に沈んでいる。

「低」がついているのは〆切のない仕事、やらなくても毎日はまわるけれど、やった方がよりよいことだ。

「経営計画書」は、会社の理念やルールをまとめた、シナプスイノベーションのガイドブック。
さいきんは日本語を母語にしない社員もふえたので、ことしついに英語版を出したんだけれど、ファイルごとコンピュータ翻訳したもので、素人目にもあやしいところがたまにある。
ぱっとわかるところだけでも直したいなと思っていたんだった。

24日はわりと余裕がありそうなので、ここに「経営計画書の英語版を整える 固有名詞の統一」の行を差し込みなおした。

急がないけれど大事なことは、放っておくと流れがち。
これを掘り起こせるのが、仕事の山整理の大事なところかもしれない。

昨日知っていたこと

テレビをつけたら、オリンピックの開会式を流していた。

実はちゃんと見たことがないんだけれど、各国代表の入場があるのは知っている。
知らない場所の歴史とか文化とか、食べものとかについて調べるのがすきなので、国の名前が並ぶのはたのしい。

おーアンドラだ、ヴァージン諸島だ、とアナウンサーのセリフをオウムがえしする。

次はエスワティニ。はて知らないな、まだまだ知らない場所ってたくさんあるな。
なにしろFIFAなんか211も加盟国と地域があるもんな。

どの辺の国かしらとスマートフォンをぽちぽちする。検索結果の頭の方に「1968年9月6日にイギリスより独立した際の国名はスワジランド王国」。
なんと。スワジランドは知っている。

国や地域の名前はいろいろな背景を伴って変わる。それも知っている。
グルジアではなくジョージアと呼ぶようになったときのことも覚えている。

エスワティニがエスワティニをつかうことを宣言したのは2018年だそう。
わたしがこの国をおぼえたのはそれより前ってことだろう。もう3年も前。

ふとこういうことがあるたび、昨日覚えたことは今日も同じとは限らないな、とおもう。

明日やりたいこと

インターネットで買ったコーンミールがとどいた。
乾燥とうもろこしの粉で、ざっとネット検索するとお菓子やパンに使っている人がおおい。

わたしはこれをケイジャン料理のフライドオクラ、要はとうもろこしの粉をして揚げたオクラがつくりたくて買った。
なぜならオクラがすきだから。知らない料理を作るのがすきだから。

がくのかたいところを落としてひと口大に切ったオクラに、ミルクでゆるめて塩とスパイスで味付けしたコーンミールをまとわせて、高温の油でざくっと揚げる。

テーブルに出す前にひとつつまみぐいする。
さいしょお菓子の衣みたいにかりっとして、あとにぷちっと、オクラのねばほくがつづく。
「コーンミールがなければパン粉でも」ってレシピにあったけれど、ぜんぜん別物だな。

そうだオクラといえば、そもそもアフリカのものだからアフリカ料理によく使うって、国立民族学博物館で見たな。
鶏と煮たのとか白身魚と煮たのとか、作ってみたいとおもってたんだった。

そういえば美術館も水族館も科学館も博物館も、さいきん行けてないな。
こんな状況だからしかたないけど、落ちついたら近いところから順々にいきたいな。
海遊館のアザラシ見たいし、兵庫の古代エジプト展、予定どおりできるのかな。

ほんとうのエジプトにはいついけるようになるかな。
海外はしばらくきびしいかな。長崎に行ってみたいけどそれもまだおあずけだな。
青森も行きたいんだったな。温泉入りたいな。神戸の中華街くらい、はやくいけるようになるといいな。

やりたいことリストを毎日更新しながら、いまは家でできることだけ潰していく。
きょうは料理と、手芸かな。

生産管理、原価管理でお悩みですか?
貴社の課題、私たちに相談してください。

私たちは、製造業のためのソフトウェア開発会社、シナプスイノベーションです。
基幹システムの導入から、生産・物流等の見える化・自動化までワンストップで提案します。
経営層から現場層まで情報を一気通貫につなげられることが強みです。

シナプスイノベーションを知る
この記事を書いた人

まふゆさん

“まふゆさん”の中の人。
大阪オフィスの管理部門でこつこつ働きつつ、
ときどき社内ライター兼校閲ガールを務める。
本とお酒とNHK Eテレ「きょうの料理」が好き。

関連記事一覧