ニューノーマル時代の工場監査はリモートで

はじめに

新型コロナウイルス感染症の影響で、工場への立ち入り、海外への渡航などが制限され、「訪問監査が当たり前にできない時代」となりました。
そんな今、新たな監査手法として、「リモート監査」に注目が集まっています。

本記事では、新たな監査手法であるリモート監査と従来監査の違いと、リモート監査成功のコツについてお話します。

リモート監査とは

web会議システムや専用のツールを使用して、遠隔地から監査を行う手法です。
従来の訪問による監査と内容に大きな違いはありませんが、実施方法や各工程にかかる負担は大きく異なっています。

事前準備工程の違い

監査を行う企業は、被監査企業に対し、まずリモート監査と従来の監査方法それぞれの特徴と相違点について説明し、リモートで監査することについて合意を取る必要があります。

また、リモート監査では、カメラ付きの端末(スマートフォン、PC)で現地の状況を撮影し、Wi-Fiでその情報をやり取りします。カメラでの写真撮影は従来の監査でも行っていましたが、リモート監査の場合はリアルタイムでの映像撮影も行うことがある点が異なります。そのため、ネットワークの接続やカメラでの撮影について、事前に準備しておくことが重要です。

監査対象となる工場内のWi-Fi環境をテストしておくこと、また、カメラを使用して静止画・動画を撮影する許可をとっておくこと、周囲のノイズやカメラの解像度など撮影・通信を阻害するものがないか確認しておくことが必要となってきます。

文書のやり取りの違い

リモート監査では、監査記録や関連文書はPDFなどの電子ファイルでやり取りします。そのため、紙での保管や、過去の記録を確認したいときに膨大なファイルをめくることはなくなります。

ただし、リモート監査専用のツールを使用しない場合、ファイル共有のプラットフォームに手動で文書をアップロードすることになるので、対応漏れや検索性の点に注意が必要です。

専用のツールを使うと、ツール上に自動で監査記録がたまっていきます。更に、日付やキーワードで簡単に検索ができます。
参考文書についても監査記録に紐づいて保存され、すぐに確認をすることが可能です。

現地調査の違い

リモート監査に限らず、工場監査で課題が発生しやすいのが、現地調査で出た課題と指摘事項をまとめ、把握し、改善状況を確認する業務です。

個別の現場に対する課題と指摘事項をそれぞれの現場担当者にメールで通知すると、改善報告もそれぞれバラバラのメールで返ってきます。これを監査情報と紐づけてまとめるのに手間がかかってしまうのです。リモート監査の専用ツールを使うと、この問題が解消できます。

リモート監査ツールでは、監査情報に紐づけて現場担当者とメッセージやファイルをやり取りすることが可能です。メールでもらった資料を、わざわざ監査情報に紐づける必要はありません。またフェーズ管理ができますので、複数の監査を担当していても、今改善要望を出しているところはどこか一目瞭然になります。改善フェーズにとどまっている監査先を絞り込めば、忘れずコンタクトを取ることができます。

報告業務の違い

従来の手法の工場監査では、監査担当者は工場内に立ち入り、内部を監査した記録を、紙への手書きと、デジカメやスマホで撮影した写真で残します。その後監査担当者はオフィスに戻り、現地での記録を元に、エクセルによる報告書を作成します。

このとき、1度紙に記録したものをエクセルに転記したり、撮影した写真をパソコンに取り込んで報告書へ添付したりと、手間がかかります。
リモート監査でも、専用のツールを使わない場合、会議中にPCや手書きでとったメモを別途エクセルの報告書にまとめることが多いです。

リモート監査ツールなら、監査担当者が画面越しに監査を行いながら、直接システムへコメントを記載しておけば、それを報告書の形式で出力することができますので、紙はもちろん、転記作業も不要です。また、工場担当者が撮った動画や写真を、システム上の監査情報にその場で直接紐づけておけますので、後から取り込む作業もいりません。報告書作成にかけていた時間を大幅に削減できます。

最後に

リモート監査を実施するためには、監査企業と被監査企業双方の協力が不可欠です。従来の監査との差を把握しておけば、スムーズにリモート監査に移行できます。新型コロナウイルス対策としてリモート監査を行う場合、まずはこの点を理解する必要があります。

ただし、リモート監査は単に訪問監査ができないときの代替策ではありません。リモート監査専用ツールを使って監査をすれば、工場内部監査にかかる紙の保管や報告業務といった事務的な手間が削減できます。経営コスト削減につながる選択なのです。

弊社製品の「UMリモート監査」は、リモート監査を行うために必要な各種機能を取り揃えております。
リモート監査に興味をお持ちの方は、是非ご相談ください。

工場の「遠隔」監査支援ツール「UMリモート監査」
製品資料ダウンロード