内定は「内定」だけれど、法的な拘束力があるのです

シャローシのお仕事, 人事・労務

 

10月。シナプスイノベーションの社内で来年4月入社予定の内定者を迎え、内定式が行われました。

その様子を見ながら3年前の自分を思い出していたまふゆさん。
当時「内定」していた同期が全員入社し、そして今も全員シナプスイノベーションで働いていることに気づき、心の中でちょっと感動のひと時を過ごしています。

そこでふと「内定」の意味が気になり辞書を引いてみることにしました。

【内定(ないてい)】
正式の発表の前に内々で決まること。

ん? まだ正式じゃないの??

頭にもやもやを抱えたままでは午後の仕事に突入できないと思ったまふゆさん、内定式会場から出てきた社労士の浅尾さんをすかさずつかまえました。

・・・

「浅尾さん、ちょうどいいところに!」

 

「内定について、ですか。旬でいいですね。
旬と言えば私、昨日北海道から直送で氷漬けのサンマを送ってもらって……」

「浅尾さん、サンマの話はまた今度お伺いしますから、今は私の頭のもやもやを解決してください!
内定って、取り消されることもあるんですか?」

「内定取り消しですね。
時々ニュースで実際の事件が取り上げられることもありますね。
結論から言うと、内定は法的な拘束力を持っていますので、簡単に取り消しができるものではありません」

「単なる口約束ではないということですね」

「そうなんです。
法的には、“就労始期付解約権留保付労働契約”が成立しているとみなされます」

 

「……もう一度お願いします」

「“就労始期”、つまり働き始める時期の指定が付いていて、さらに“解約権留保”、つまりその契約を取り消す権利が残されている状態、ということです」

「え、それじゃあ内定は取り消しができるということになるんじゃないですか?」

「解約権がついていますので、今現に社内で働いている人に比べるとその可能性が高いとは言えますね。

例えば、業績が急激に悪化した場合などに、従業員の解雇に先んじて内定取消を行うことについては、合理性があるという考え方が一般的です。

ですが、このようなやむを得ないケースであっても、企業が内定取消を回避する努力をしたかどうかは、問われます。
実際の裁判では、解雇に準じて判断されるケースが多いのですよ」

 

「確か、日本の法律では解雇は厳しく制限されていますよね」

「ええ。ですので、内定取消にかかる制限もかなり厳しいものと考えてください。

例えば、先ほどの業績悪化のケースでは、
1)人員削減の必要性があるのか
2)解雇回避努力をしたか
3)解雇対象者の人選に合理性があるか
4)解雇の手続きに妥当性があるか
が整理解雇可否の判断基準になっています。

内定取消に際しても、同様の基準で判断すべきとされていますので、やむを得ない事情であっても、最後の判断に踏み切る前に一息おいて専門家に相談したほうが良いかもしれませんね。

余談ですが、シナプスイノベーションの場合は、万が一業績の悪化があっても整理解雇の道を選ばずにすむように、社員の雇用を守る仕組みが作られています。

もちろん、そんな選択に悩む日が来ないように、新しい道を切り開いて成長し続けていきたいですね!」

「新しい仲間も加わりますし、心強いですね。
内定者さんに負けずに私もがんばります!」

・・・

来春新しい仲間を迎える日をイメージしながら、瞳も心もキラキラモードで午後からの仕事をスタートさせたまふゆさんでした。

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浅尾
この記事を書いた人

浅尾 美佳(あさお みか)

食べてしゃべって走る、特定社会保険労務士。
使命は社内平和と世界平和。
ジョージ・クルーニーの嫁に憧れています。

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