個別受注生産は受注生産となにがちがう?

カイゼンコンサルタントのKANSINノート, 製造業

株式会社シナプスイノベーション 営業本部 中里です。
今回は、“個別受注生産”という、製造業の生産方式の話です。

“個別受注生産”というコトバ、聞いたことがある方も多いかと思います。
でも、“受注生産”とどう違うの? 受注を受けてから製造するのは同じでしょう?
“個別”が付くとなにが違うの?
……なかなか的確に答えられない方も多いのでは?

個別受注生産というのは、製造業の、“受注の時期による分類”の1つです。
受注の時期による分類というのは、簡単に言うと、受注を受けてから製造するか、製造してから受注を受けるか、による分類です。
個別受注生産というコトバを理解するために、他にはどのような生産方式があるのかもあわせて見てみましょう。

MTS(Make To Stock) 見込生産

受注の前に、その製品が市場でどれだけ売れるかを予測して製品を製造する方式です。
製造した製品は在庫となります。
受注を受けると、その製品の在庫から出荷します。
コンビニに売られているカップラーメンなどですね。

ATO(Assemble To Order) /BTO(Build To Order) 受注組立生産

受注の前に、製品を構成する部品までを見込みで製造して、在庫として持っておきます。
受注を受けると、これらの部品を組み立て、最終製品を製造して出荷します。
パソコンの“Dell”はこの方式です。

MTO(Make To Order)/CTO(Configure To Order) 受注生産/繰返受注生産

受注を受けてから、部品や資材の調達を行い、製造して出荷する方式です。
基本の仕様は事前に設計されていて、それに従って製造するのがメインですが、カタログなどを使って、いくつかある仕様の中からお客様に選んでもらうものもあります。
一般的な“受注生産”の事です。

ETO(Engineer To Order)  個別受注生産/受注設計生産

受注を受けてから、個別の仕様を設計して、その設計に則って製造し出荷します。
大きいものでは船や、工場の発電設備のプラント。一品モノの機械。
また、専用のデザインのモノ、例えば高級チョコレートの専用の入れ物もETOと言えます。
オーダーメイドの服もそうですね。

それぞれの違い、わかっていただけましたでしょうか?
つまり、受注生産とは、受注をしてから製造をする方式で、そのうち、仕様設計も受注後に、1つ1つの受注に対して個別に行うのが個別受注生産というわけです。

個別受注生産をオーダーメイドの服を作るプロセスで考える

個別受注生産とはなにか、大まかにわかったところで、実際の生産の流れを見てみたいと思います。オーダーメイドの服で話をしましょう。

まず、お客様が仕立て屋さんにやってきて、服を作ってほしいと言います。
店員は、どんなイメージの服なのか、どこに着て行きたいのか、お客様と話をして、その要望に合った服をスケッチすることから始めます。

店では多くのお客様の服をつくるので、それぞれがどのお客様のためのどの服なのかを識別するために、ひとつひとつの服に番号を付けます。
製造業では、これを“製造番号”、略して“製番”と呼びます(実際の仕立て屋さんでは製番とは呼ばないと思いますが、製造業のコトバで話します)。

スケッチからデザインが決まったら、次はお客様のサイズを細かく測り、型紙を作ります。
どのような生地で、色や柄はどうするのか、決めてゆきます。
これが、製造業の“設計”です。

“設計”ができたら、仕立てにかかる前に、その段取りを決めます。
材料は手元にあるか? ないのであれば、誰がいつどこに発注して、いつまでに手元に届くか?
誰がいつどうやって布を裁断して、誰がいつどうやって縫い合わせるか?
製造業では、これを“手配”と呼びます。

製品ができるまでの手配を、最初に全部決められるとは限りません。
ヒトや機械(仕立て屋さんならハサミやミシンでしょうか)の都合で、ある程度工程が進まないと最後まで決められないこともあります。
決まった作業から着手して、あとは作業と並行しながら手配することもあります。

手配のタイミングで、お客様に、服がいつごろできあがるのかを連絡します。
お客様からすると、注文したら、いつできるか知りたいですよね。

納期を決めるには、いろいろな要素を考慮する必要があります。
まず、生地やボタンなど、服の材料は在庫があるでしょうか。
なければ仕入れる必要があります。それにどれくらいの日数がかかるでしょうか。

裁断には、縫合には、実際にどれくらいの日数がかかるでしょうか。
限られたヒトと機械でたくさんのお客様の服を作るので、同じお客様の服だけを1日中作り続けるわけにはいかないこともあります。

すべてを考慮して、お客様に納期をお伝えします。“納期回答”といいます。

ある程度の手配ができ、納期が決まったら、納品目指して、まずは材料の調達をします。
在庫があればそれを出してきます。なければ仕入れます。

生地が準備できたら、裁断します。ある程度できあがったら、仮縫いをします。

仮縫いができたら、実際にお客様の体に生地を当てて、細部を微調整します。
製造業では、中間レビューに当たります。
このタイミングで、仕様が変わることがしばしばあります。
手配をやりなおすこともあります。

調整してOKが出たら、最後まで縫い上げます。
縫い上がったら、出来栄えに問題がないか検査します。
検査に合格してはじめて、服は、約束した納期通りに、お客様に引き渡されます。

個別受注生産で必要なことは、品質良く、納期通りに、利益が確保できる原価で作ること

個別受注生産で求められることは、お客様の要望通りのモノを、品質良く、納期通りに、利益が確保できる原価で作って、お客様にお渡しすることです。

そのために、設計をするヒト、手配をするヒト、材料を調達するヒト、製造をするヒト、できたものを検査するヒト、配送するヒト、様々なヒトがいます。

このヒトたちは、個別受注生産で求められることを実現するために、常に情報を共有し、なにか変更があれば速やかに周知しなければなりません。
2、3人でモノを作っているうちはいいですが、10人、100人、1,000人……と関わる人が増えてくると、この情報共有がとてもむずかしくなります。

そこで、システムを使うのです。

生産管理システムには、設計通りに調達や作業を“手配”する機能、お客様へ“納期回答”する機能、製造の“実績”を入力する機能、作業の“進捗”を確認する機能、そして、“原価計算”をする機能などが盛り込まれています。

製造に関わるヒトが、このシステムを使いこなすことで、個別受注生産で求められることが、より簡単に、より確実に実現できるようになります。

 

シナプスイノベーションは、近く、生産管理・原価管理システムJ WALDの個別受注生産機能をリリースします。
・新しいUI。
・きめ細やかな“手配機能”。
・すでにリリースされている原価計算モジュールによる、“製番別原価”管理
などなど、見どころはたくさんあります。
詳しくは、J WALDの紹介ページで……。

様々な生産方式の製造業様に、よりよいモノをよりよく生み出していただくために、進化し続けるシステム“J WALD”。
これからも、新しい機能の実現を多数構想しています。よろしくお願いします。

製造業向け生産管理システム「J WALD」
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中里
この記事を書いた人

中里 真仁(なかざと まさひと)

宝塚歌劇をこよなく愛する生産管理&経営管理コンサルタント。
神戸生まれの神戸育ち。海を眺め、山へ登ることが好き。
関心あること、感心したこと、歓心を得た事を綴ります。

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