マーケ女子が聞く!食品製造業のはなし

仕事効率化, 経験談・小話

 

シナプスイノベーションマーケティング室のHです。
今回は当社でコンサルタントを務める2人に、食品製造業をテーマに話をしてもらいました。
製造業に深い知見を持つ2人の間に若手社員が同席し、食べ物を作る工場ならではの工夫や課題について伺っています。

 

・・・

 

―本日はお時間をいただきありがとうございます。
まずは簡単に自己紹介をお願いいたします。

 

T:生産管理システムのパッケージメーカーに12年ほど勤め、パッケージ開発、プリセールスから導入後の保守まで一通り経験しました。その後シナプスに入社して、今は生産管理コンサルタントとして働いています。
4歳の息子がいるんですが、この子が仮面ライダーにハマっているので、最近はそれにつきあって一緒に観ています。平成ライダーを歴代順番に追っているところです。

 

Y:FA(ファクトリーオートメーション/工場自動化)関係の研究・開発を長年続け、産学官で連携していろいろなプロジェクトを経験してきました。代表の藤本に声をかけられてシナプスに転職し、今は全国の工場にお話を伺いに回っています。50代後半なので、藤本からは当社のシニアエンジニアの1人に数えられています。当社ではこのところ、シニア層のノウハウの活用に力を入れているもので。
趣味は写真です。庭など風景を撮ることが多くて、美女のポートレイトはご勘弁いただきたいんですが(笑)。あとはB級グルメと、それからTさんと共通の趣味は車ですよね。車のことなら2人で何時間でも話せてしまう。

 

T:そうですね。私は名古屋オフィス勤務で、土地柄周りに自動車関係の仕事をされている方が多いので、そうした方々ともよく盛り上がりますよ。

 

―そのお話もとても面白そうですが、今回のテーマは「食品製造業」です。

 

Y:私はこれまでいろんな食品工場に足を運んできたんですが、Tさんはどうですか?

 

T:洋菓子屋さんにシステムを導入したことがあります。

食品を作る工場って、先の予測がとても大切なんです。例えば原材料は、仕入先と交渉して、何ヶ月か先の分まで内示を出しておきます。向こう3ヶ月で砂糖を何トン使いますよと押さえておいて、うち今月はこれだけ使いますねと引き出すんです。欠品を出すのはもちろんダメですし、だからといって大量に仕入れて古くしてしまってもダメなので、厳密な管理が求められます。
しかも、どれだけの原材料を使うかは、毎月同じわけではありません。需要が変わるからです。お菓子にも旬があるでしょう。クリスマスならケーキ、バレンタインならチョコレート、5月は子どもの日でかしわ餅みたいに。

 

Y:老舗の名店みたいなイメージのところだと、お歳暮とお中元の時期に大量にモノが売れるとかね。となると、原材料だけでなく人の備えもいります。工場では販売の増加を見込んで、パートさんを雇うんです。
ただ、1番のピークのときにいきなり新人さんを入れるのでは効率が悪いので、実際にはもう少し早めに雇用します。地域にもよりますが、勤労感謝の日からクリスマスのころまでをお歳暮のピークだとすると、それを見越して10月くらいにはどんどん面接をしているんです。で、年末になったら契約終了と。繁閑に合わせて人をコントロールするために、かなりの労力をかけています。
しかも、多くのパートさんにとっては、短期しか雇ってくれないところより継続して働けるところの方が都合がいいので、そもそも応募してもらえずに人手不足が起きることもあります。そうすると集まった人手でどう成果を出すか、より厳しく計算しないといけません。

 

T:限られた人手をうまく回すには、シナプスで開発しているシフト最適化の仕組みが活かせるんじゃないでしょうか。生産管理システムに蓄積された実績データを元に、AIがシフトを組むみたいな感じです。シフトにしても原材料にしても、大量のデータを踏まえて計画を立てないといけないので、ITの得意分野だと思います。

 

―製造業と聞くとつい無機質な機械を想像してしまいますが、お客様の行動を読んだり、働く人の調整に苦労したり、人に左右される面が大きいんですね。

 

Y:どんな仕事でもそうですけれど、食品製造は特にイメージが大切です。お客様が自分たちにどんなイメージを持っているか、お客様にどんなイメージを持ってほしいかで、戦略も変わります。
Tさん、同じお菓子会社の製品でも、地域によってイメージが違ったりすることがありませんでしたか?

 

T:ありましたね。関西の人は普段食べる手ごろなお菓子だと思っているのに、関東の人にとってはちょっと高級な手土産だったり。それぞれのブランドイメージを踏まえて何を作るかを変えることで、売上を伸ばすこともできると思います。
逆に、悪いイメージがつくと大変です。口に入れるモノですから、風評被害が1番怖い。

 

Y:まれに、ラベルの表記ミスがニュースになるでしょう。特に米粉と小麦粉を間違えるなどアレルゲンの表示にミスがあると、命にかかわる話になります。
ああいったことも、手作業でラベルを作るのではなく、きちんとシステムで原材料を管理して、そのデータをラベルにすることで防げるんです。

 

―他にも原材料の品質低下や異物混入など、気をつけないといけないことがたくさんありますね。

 

Y:はい。ですからどこの工場でも、いろいろな仕組みを取り入れて品質を保っています。消費者からすれば、目に見える製造上の仕組みで危険を防いでくれるのが1番安心ですよね。
ただもう1つ忘れてはいけないのは、その仕組みの中で働いているのは人だということです。人が人の食べる物を作っているわけです。だから食品工場では、食べる物を作る人としての高いモチベーションを従業員の方に持ってもらうことも、とても大切なんです。

 

T:確かに、技術力だけでなく働く人のことも信頼しているから、消費者はそのメーカーの製品を選ぶんだと思います。

 

Y:残念ながらときどき、異物混入や原料の期限切れなどの疑いで食品が回収されることがあるでしょう。そうした事故がどこの工程の、さらに言えばだれの責任で起きたのかを特定することは、現代の工場では十分可能です。でもそのとき、個人を厳しく追及するのか、会社全体で改善に取り組むのかで、働く人のモチベーションは大きく変わります。ここが食品づくりの難しいところです。

 

―先日当社のブログでも、国際的な食品衛生管理手法であるHACCPについての記事を出しました。食の安全を求める声がどんどん高まっていますよね。

https://www.synapse-i.jp/public-relations/2018120113106

そうした中で、人と技術の両方にフォーカスして食品づくりを考えるというのは、興味深い視点だと思います。
私たちもITを扱う企業として、新しい技術をお客様にご紹介するときには、それが結局どう人の役に立つかまできちんと考えないといけませんね。
お2人とも、本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

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