良いモノを「広める」力 ―ビートルズのマネージャー

カイゼンコンサルタントのKANSINノート, 経験談・小話

おはようございます。FCSの中里です。

先日、『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK -The Touring Years』という映画を観賞しました。
ビートルズの活躍した日々を、ツアー映像を中心にまとめたドキュメンタリー作品です。

皆さまの中に、この歴史的アーティストの名前を知らない方はいらっしゃらないと思いますが、それではそのマネージャーであった、ブライアン・エプスタイン氏のことはご存知でしょうか?

初期のビートルズのスタイルを作り、売り出した立役者です。

ビートルズがどれだけ素晴らしい曲を書いても、それだけで世界中の人々を熱狂させることはできなかったでしょう。
その素晴らしい作品を多くの人に知らしめたという点で、ブライアンの力はとても大きかったと思います。

今回は、才能あるバンドを見つけ、世界に広めた、ビートルズのマネージャーについてお話します。

 

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私は小学生のころはじめてビートルズに触れ、5年生の時、『ビートルズ神話 エプスタイン回想録』という本を手に入れました。

1964年、ビートルズがアイドル的人気の絶頂にあった時期に出版されたこの本は、ブライアン・エプスタイン自身の手による自伝作品であり、ビートルズがいかにして成功を収めたのかを描いています。

ブライアンは、ビートルズの地元リバプールで、家具店を営む裕福な家庭に生まれました。

若くしてレコード店を経営していた彼は、そこでの仕事の中で、ビートルズの音楽と出会い、初めて地元のロックバンドを意識するようになります。

そして、いまではビートルズの初期の活動場所として有名なキャヴァーンクラブで、初めて生演奏を聴きました。

ビートルズの音楽に魅了されたブライアンは、マネージャーの経験などないにもかかわらず、彼らと契約を結んだのです。

 

ブライアンとの契約以前、ビートルズのマネージャー業務はどうなっていたかというと、知人のクラブオーナー、アラン・ウィリアムズが担当していました。

アランは経営の傍ら、地元のロックバンドの興業なども行っていて、その方面のことをいろいろと知っていたのです。

ビートルズにも、地元や、ドイツのハンブルクのクラブでの仕事を斡旋しました。

当時のアランのマネージメントは、クラブでの演奏を重ねて有名になり、ギャラを増やすことを目的としています。

それこそがバンドにとっての成功だ、それが常識だと考えていたように、私は感じます。

 

対してブライアンは、マネージャー契約を結ぶと、ビートルズを当時のメジャーレコード会社・EMIやデッカなどに売り込み、地元だけでなくイギリス全土に発表することを目指しました。

さすがにレコード店を経営していただけあり、アランにはない視点です。

リバプールからロンドンまで何度も何度も往復してレコード会社を回り、徹底して売り込みました。

 

売り込みと同時に、ビートルズのライブでのスタイルを新しくしました。

革ジャン姿を、おそろいのスーツに変えました。靴もあえて特徴のあるものにしました。まるでユニフォームのようです。

ひげはなし。1曲演奏するたびにお辞儀をするようにも指導しました。

地元のクラブではなく、テレビやコンサート会場での演奏を想定し、不良をイメージさせるそれまでの格好から、大衆に好まれる清潔な、それも一目でほかのバンドと区別できるようなスタイルへと変えていったのです。

また、ビートルズの楽曲の版権を扱う会社、グッズの権利を管理する会社などの設立にも関わりました。

 

彼の仕事ぶりは、今でいう「マネージャー」というよりも「プロデューサー」の方が近いように思います。

ただ演奏の場を作るだけでなく、イメージを作り、管理し、人々に認知させるという、成功するビジネスモデルを作りあげていったのです。

 

映画の舞台である1965年当時、ブライアンは30歳くらいでした。

30歳で、世界のトップスターグループをマネージメントしていたのです。

ジョン・レノンは当時25歳。10歳も離れてはいません。

私がそのくらいの年だったころと比べるとすごいことです。

 

アラン・ウィリアムズには、ビートルズの才能を見抜いて演奏できる場所を提供した功績がありますが、彼がマネージャーのままだったとしてもビートルズは世界的成功を収められたかというと、無理だっただろうと思います。

いくら天才的な才能を持っていても、認知されなければ意味がありません。

アランはクラブの小さな舞台だけを想定していましたが、ブライアンはビートルズを、世界中に認知させようとしたのです。

2人のビートルズに対する熱意とビジネスとしての夢の大きさの違いのような気がします。

 

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良いモノがあっても、存在を知ってもらえなければ成功に繋がらないのは、どんな業界でも同じです。

今私の開発している生産管理システム「J WALD」も、良いモノであるという自負はあるのですが、それだけでは、お客様に認めていただけません。

広くお客様に知っていただけるよう、マーケティングや営業のチームと一緒に、セミナー、動画作成、Web配信などさまざまなプロデュースをしています。

ビートルズの時代と比べて、現在はさまざまなツールが発達し、自分たちの手で簡単に情報を発信できるので、ますますアイディアが膨らみます。

もし、ビートルズがデビューした60年代初頭に、YouTubeなどのネットの世界があって、人の手を借りずに自身の音楽を世界中に発信できていたとしたら、どうなっていたのでしょうね……。

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中里 真仁(なかざと まさひと)
この記事を書いた人

中里 真仁(なかざと まさひと)

宝塚歌劇をこよなく愛する生産管理&経営管理コンサルタント。
神戸生まれの神戸育ち。海を眺め、山へ登ることが好き。
関心あること、感心したこと、歓心を得た事を綴ります。

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