先進的カード社会~日本人から見た英国~

経営 事上磨練, 経営・マネジメント

シナプスイノベーション代表取締役の藤本です。

英国のEU脱退問題が世界に大きな波紋を呼んでいます。
弊社もまたその影響を大きく受ける企業の1つです。

特に昨年、弊社は英国の法人をグループ会社化しましたのでこの潮流を無視することはできなくなっています。

そんな背景もあり、「日本人から見た英国」と題した私の英国での体験談をお送りしたいと思います。
今回は、英国で「先進的カード社会」を実感したエピソードです。

現地のグループ会社 Software Imaging Limited(※)とのミーティングのため、私は昨年数回、英国出張に赴きました。
(※ソフトウェアイメイジング社:プリンタードライバーをはじめ、組込系、モバイルアプリを得意とする開発会社です)

日本で生まれ育った私にとって大きなショックだったのは、かの国が実に「先進的なカード会計社会」であったことです。
話には伝え聞いていましたが、現地で目の当たりにした光景は想像を超えたものでした。
世界一乗り継ぎの難しい空港とも呼ばれるヒースロー空港を無事抜けると、わずか数十分でロンドンの街へと入ります。

そこにはなんと、ペットボトル1本、雑誌1冊買うにもカード会計が当たり前、そんな世界が広がっているのです。

一方、日本では駅の売店はもとより、意外に多くの商店で、カード会計を断られます。
とはいえ、少額の買い物なら現金で済ませる人が大多数の国ですから、さして問題はないでしょう。

さて、カード社会英国の実情を理解していないがための事件は、交通機関の利用時に起こりました。

ロンドンの街中には、たくさんの2階建てバスが走っているのをご存知でしょうか?

是非2階建てバスに乗りたいと考えていた私と同行の社員たちは、停留所でわくわくとその到着を待っていました。

ところがいざ乗り込もうとすると、現金では精算ができないとのことで、乗車を拒否されてしまったのです。

私たちは悔しい思いを胸に、すぐさまオイスターカード(現地で利用できるプリペイド式・または定期券式のカード)を購入、次のバスを待ちました。

ところが、満を持してやってきたのはロンドンでは珍しいはずの1階建てバス!

予定の都合上、さらに次のバスを待ち続けることはできず、がっかりしながら乗り込んだのでした……。

そんな、トラブルというより笑い話のようなエピソードです。

「カード中心の生活」というと、たとえば無計画な買い物による破産や個人情報の流出、口座の不正使用など、マイナスイメージを持つ人が多いでしょう。
商店経営者の中には、管理の手間や支払遅れを理由に嫌がる人もいます。

しかし、英国だけでなく欧米の各国、また我が国のお隣、韓国でもいまやカードでの会計が当たり前です。
ご存知でしたか?

なぜカードがそれほど一般化するのか。理由はさまざまでしょうが、海外出張中に私が感じたのは、街中に広がるITが、カードと結びついているということです。

フランスのマクドナルドでは、カウンターで店員相手に注文をするのではなく、タッチパネルを操作しカードで会計をして商品を受け取ります。

取引相手と対面することなく買い物を進められるという現代ではあたりまえになりつつあるシステムと、
現金なしで買い物ができるカードは、相性が良いのです。

タッチパネルとカードではぴんと来ない方も、たとえば外出先でちょっとした仕事をしようとして、インターネットに接続できず困ったことはありませんか?
ロンドンでは、街じゅうどこを走るバスの中でも、Wi-Fiを快適に使うことができます。

日本で暮らす私たちは、いまだに日本のITを世界の最先端のように錯覚しがちです。
ですが街中に広がるITの点でいえば、ヨーロッパの国々に大きく後れを取っています。

私は何も、海外の国々を手放しで称え、日本社会を否定したいわけではありません。
ただ、ITが今後ますます私たちの生活に入り込んでくるだろうことは、理解しなければならないと感じているのです。
そうなってくれば、いよいよカードを避けて通ることはできなくなるでしょう。

とりあえずのところ、海外旅行・出張にいかれる方は、必ず現地の実情を調べ、使い勝手のよいカードを用意することをお奨めします。

さまざまなトラブルを想像し、抵抗を覚える方もいるかもしれません。
しかしメリットがあればデメリットもあるのは、カードであれ現金であれ同じことです。
便利なサービスをスマートに利用でき、紛失時には保険もきくというメリットを享受しましょう。

実際、現地で財布を紛失した社員は、カードをストップしたことで損害を軽減できましたし、私も事前にカードを用意して臨んだ2度目の英国出張で、念願の2階建てバスを堪能できましたから。

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代表取締役社長 藤本繁夫 
この記事を書いた人

藤本 繁夫

株式会社シナプスイノベーションの社長をしています。
時空を超え、国境を超え、業界の常識を超え、びっくりポン!なアイデアを発信します。

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