製造業コラム

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人不足を解消するために

更新日:2023年8月22日
人不足を解消するために
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3月に決算月を迎える多くの上場企業では、年が明けた今は第四四半期、いわゆる最終コーナーを曲がったところで、年度末に向かってお忙しくされていることでしょう。一方、中小企業では12月を決算月にする会社も多いので、年末にバタバタと年度の締めを行ったあと、ひと段落して新たな気持ちで新年を迎えたのではないでしょうか。
しかし、年を跨いでなお、製造業を取り巻く環境に問題や懸念が多いことは、変わりのない現実かと思います。

一筋縄ではいかない人不足

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さまざまな問題の中でも特に「人不足=労働力不足」がいよいよ深刻化してきました。お客様からもそのようなお話をよく伺います。

人手が確保できなければ製造ができない、売上が上がらない、そうなると従業員に給料を支給できない......。どの社長さんもそれだけはあってはならないと考えて経営をされていますよね。

どうにもならないならば、もういっそのこと店を畳んでしまおうか......と思っても、会社の資産+価値と借入を比較して、相殺できないことが目に見えています。じゃあ設備を売却すればなんとかなるのかというと、思ったほどの額では売れなかったりで、そう簡単にはいかない。従業員がいるので事業を継続せざるをえない。ジレンマに陥りながらも"なんとか"継続していくしかないと、腹をくくっている会社は少なくないと思います。

「製造現場に人がいないなら、自動化を進めてスマートな工場を目指す」というのが最近のセオリーになってきていますが、そんな方針を立てられるのは限られた大手企業だけです。中堅中小の製造業では、製品や工程の特性上、自動化の技術がまだ市場に確立されていなかったり、自動化するための機器や技術があっても経済的に手が出せなかったりと、そんなに簡単に解決できないのも現実ですよね。

足元からできる現場改善

さて、省人化/省力化の花形といえば、ロボットの導入です。メーカの事例紹介や、ネットやテレビで紹介される町工場の革新的な取組みでも、ロボットの導入がベースになっていることが多々あります。こういった事例では「自力でロボットを導入した」「自作でIoTをやった」「社内で全部やった」そういった話が多いのではないでしょうか。電子機器に強い人が社内にいたら何となくやれるかもしれませんが、そんなに上手い話は滅多にないですよね......。

しかし"ハイテク機器"の使用や新しいことに挑戦すること以前に、我が国の製造現場には、まだ改善する余地があるのではないでしょうか。個人的には、かつて後進国とされてきたアジア各国の製造現場の方が、先進技術を導入しており、我が国の製造現場は周回遅れに入っているのかもしれない......と感じることが多々あるのです。

たとえば、バブル以降の日本では長い間物価が伸びず、海外に製造拠点を見出してコストを抑制してきました。その結果、アジアの国々の工場は、日本国内で確立された自動化設備を導入し、、テクノロジーの進歩と合わさり先進化した一方で、国内の工場は進歩の流れから置き去りになってしまいました。こうした経緯を考えてみると、日本の製造現場が置かれている現状は、仕方ないのかもしれません。

しかし今や、「状況がそうだった」と責任転嫁する余裕はなくなってきました。 多くの中堅中小の製造業は、日本国内の経済が活気的な"いい時代"に起業した後、暗くて長い"しんどい時代"を通り抜け、会社と従業員を守りながら、何とかやってきたことでしょう。

そんな企業の多くは、今、代替わりの時期に差し掛かっています。

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中堅中小の製造業はオーナー社長が多く、そのご子息たちが一般の会社に勤め、家業を承継すべく戻ってきた、というケースがよく見受けられます。古き良き時代が終わった今、事業を承継する若い世代の目の前には、くたびれた製造現場や自転車操業的な経営が横たわっている......という製造業様もいらっしゃるのではないでしょうか。

創業者から事業を承継なさった若い社長さんが「設備の見える化を実現」「ロボットやAGVを使って省人化に成功」といった話はもちろんありますが、どこの企業もすぐ真似できることではないですよね。

例えば、1970年代に自宅兼工場で起業し、事業の拡張に合わせて、町内の土地を購入して工場を何ヵ所かに分散して建てたので、ロボットやAGV、センシングで見える化だの自動化ラインだのは物理的に難しいという企業もあります。家業を継いだのはいいけれど、自分には電気電子の知識もなくIoTとか言われても......、社員はいい人たちだけど先進的なことに取組むタイプではないだろうな......など、途方に暮れている社長さんもいらっしゃることでしょう。

大手のメディアや大手の電機メーカが紹介しているような取組みができない......難しい......そんなこんなで困っている......という製造業様に、このコラムを通して、私たちシナプスイノベーションが出来ることをお伝えできればと思います。自動化がすぐに進まない状況の会社でも"今できること"を実践し、体力を蓄え、それから大きなことへチャレンジできるように、少額の投資でシステムを育て上げていけるようなご提案をしていく所存です。

このように申し上げると「中堅中小の製造業のことしか書かないの?」と思われるかもしれませんが、大手の方々にとっては、サプライチェーンの現実が見えてくるようなコラムにできたらと思います。

私たちシナプスイノベーションが提供する「UM SaaS Cloud」は、低コストから導入可能なSalesforce基盤を利用したクラウド型(SaaS)生産管理システムです。製造業の皆さまそれぞれの業種や規模、生産形態に合わせ、柔軟な活用法をご提案させていただきますので、ご興味を持っていただけた方はぜひ製品紹介ページ をご覧くださいませ。

UMマスター
著者:UMマスター

UM SaaS Cloudに長年携わっているベテラン。
製造業における業務の効率化や生産性の向上を実現した経験とIT活用の幅広い知識を有しています。
ブログでは、製造業におけるIT導入の成功のポイントなど、製造業向けのIT導入に関する情報を発信しています。

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