製造業におけるDXとは?

はじめに

今回は、製造業における「DX:デジタルトランスフォーメーション」の話です。

DXとは、デジタル技術で世界をよりよく革新すること

まず、DXの基本的な定義から。
*ウィキペディアには、“「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念である。“ とあります。
*出展:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)(2021年7月13日14:44時点)

また、2019年*に経済産業省が公表した定義では、「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」 となっています。

*出展:「DX 推進指標」とそのガイダンス 経済産業省 令和元年7月

まとめると、「人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させるために、デジタル技術を用いてラディカルイノベーション(根本的な革新)を起こすこと」といえるでしょう。

DXの前段階 デジタイゼーションとデジタライゼーション

デジタルトランスフォーメーションとよく比較される言葉に、「デジタイゼーション(Digitization)」と「デジタライゼーション(Digitalization)」があります。

「デジタイゼーション(Digitization)」は、ビジネスプロセスは変えず、元々のプロセスにデジタル技術を導入して、特定の業務を効率化する段階です。
製造業の仕事でいうと、例えば、製造工程や設計の作業を効率化するために、IT機器やツールを導入することです。

デジタイゼーション以前の製造業では、設計図をヒトが手書きして、これをコピーして各工程に配り、その設計図を見ながら作業を行っていました。
設計に変更があると、設計図をヒトが修正して、コピーして、配りなおします。
これが何度も繰り返されると、どの設計図が最新かわからなくなってしまいます。

ここにITを導入してみましょう。
CAD(コンピュータ設計支援)を使って、コンピュータで設計図を書くことにします。これで最初の設計作業と設計変更時との効率化が図れます。
各工程に紙の設計図を配るのではなく、タブレットで見てもらうことにします。コピーして配る手間も、どれが最新かわからなくなることもなくなります。

この段階は、すでに実現できている製造業の企業も多いかと思います。

次に「デジタライゼーション(Digitalization)」は、デジタル技術を導入することで、ビジネスプロセスを変更し、業務全体を効率化する段階です。
製造業なら、生産管理のパッケージシステムを導入することが挙げられます。

生産管理パッケージを導入すると、各工程の状況、進捗を会社全体で把握できるようになります。
さらに大切なのは、パッケージシステムを導入するときには、これまでの業務をパッケージに合わせて見直すことが求められるので、このタイミングで業務全体を最適化できるということです。
また、外注先とのデータ連携も可能になるので、自社だけでなく、関係する企業群全体のビジネスを最適化することもできます。

この段階は、すでに実現できている企業もある一方で、まだ取り組めていないとか、1度は取り組んだけれどそのときのシステムはすでに古くなっており、そのままでは次のDXの段階に進めないという企業も多いかと思います。

そして、「DX:デジタルトランスフォーメーション」。
これはデジタライゼーションまでの、ひとつの企業とその周辺のいくつかの企業までだけではなく、社会全体に大きく影響する取り組みです。

DXを想像し、実現する

製造業がDXを起こせたら、どのようなことになるでしょう?
私の想像を書きます。

モノが作られて売られるまでの流れ、サプライチェーンには、モノを作る製造業⇒モノを運ぶ物流業⇒モノを売る流通業が関わっています。原材料の調達から、製品を売る最終の小売業までですね。

SCM(サプライチェーンマネジメント)の考え方では、この一連のモノとお金の流れをまとめて見直すことで、全体の最適化を目指します。

このために必要なのが、サプライチェーンに関わるすべての情報を、すべての企業、ヒトの間で、一気通貫で共有することです。

IoTで製造にかかわる機器やヒトからくまなくデータを収集すれば、何をどこ(この「どこ」は、サプライチェーン上の企業を指します)でどれだけ製造仕掛中か把握できます。

情報共有は、移動通信システム5Gにより、映像を使ったリアルタイムなものが当たり前になるでしょう。
これらにより、何がどこにどれだけあるのか、在庫の共有がリアルタイムで行えます。

原材料の調達先に、物流拠点に、小売店にどれだけの在庫があるのか、ヒトを介さずにすぐ把握できるようになります。
何がどこでどれだけ売れているのかもわかります。

モノの棚卸の必要がなくなります。

これに伴って、一連の流れに関わるどのヒトがどこでなにをしているのかも把握できるので、ヒトは、作業日報や勤務表を付ける必要がなくなりますね。

どのようなイベントがどこで開催され、気候はどうなり、ヒトがどこからどれだけ集まったのか、ビッグデータとして集積されていきます。

AIがこのビッグデータから、精度の高い需要予測をします。いつどこに何がどれだけ必要なのかがわかるということですから、この情報をサプライチェーン上で共有すれば、製造業から原材料の調達先、小売から物流へ行っていた受注業務、発注業務は必要なくなります。

製造業は、今は手で、あるいは生産管理システムで、苦労して生産計画を立てています。

月曜日に向こう1週間の生産計画を立てたのに、火曜日に受注が入って急ぎで計画を見直すなんてことは日常茶飯事です。
これも、きっと不要になるでしょう。

ここまでくると、NET上のあらゆるデータを活用することで、今後売れそうな製品や、まだ世の中にないけれど実はニーズのある製品を想定することもできそうです。

そうなってしまえば、究極は営業も必要ありません。
わざわざ自社の製品を売り込む必要はなく、情報をNETに流しさえすれば、顧客は瞬時に把握することができます。

DXによってこんな風に、製造、物流、流通まで、いままでとはまったくちがったものになると、私は想像しています。
ビジネス自体が根本的に変わるでしょう。

シナプスイノベーションができること

夢のようなハナシだと思われたでしょうか?
しかし、未来はヒトが想像しなければはじまりませんし、実現もできません。

ウォルト・ディズニーはこう言ったそうです。「夢を見ることができるのならば、あなたはそれを叶えられる」。
シナプスイノベーションがこんな近未来のために生み出したソリューションが「J WALD」とそれを中心とするプラットフォームです。

ご興味を持っていただけましたら、製品資料もぜひご覧ください。

製造業向け生産管理システム「J WALD」
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